福岡市六本松Healinglaboきらり桜子日記

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日本の飛天

飛天像はインドに源を発する。中国を経て、奈良時代、仏教とともに日本に伝来した。
ちなみに、「飛天」という語は、「毘沙門天」「帝釈天」などのように特定の尊格を指す固有名詞ではなく、「飛んでいる天人」一般を指す普通名詞である。

法隆寺金堂の飛天はかなり以前に見たが、ほとんど記憶には残らなかった。しかし、2年前、平等院で梵鐘の飛天を見て、あまりの美しさに息をのみ、法隆寺の飛天の記憶が蘇ってきた。
そんなわけで、ちょっと日本の飛天について書いてみたいと思う。


法隆寺金堂小壁画の飛天

飛天といえば法隆寺というくらい、法隆寺金堂壁画の飛天は名高い。火災で焼けてしまった壁画類は、現在、宝物庫に保管されていて、年一回法隆寺夏期大学の時に虫干しを兼ねて公開される。被災した大壁の壁画は見る影もないが、幸い小壁画の飛天象は火災を免れ、想像以上に美麗な状態で保管されていた。
境内の金堂内にはレプリカの壁画が公開されている。堂内が暗すぎて細かいところまでよく見えないので、レプリカでも本物でも大差ないと思うのは素人の浅はかさ?? 最初訪れた時、レプリカでも十分感動した。


法隆寺玉虫厨子正面画の飛天
これは金堂壁画より古い時代の飛天。左右から香炉を捧げ持って舎利容器を供養している。


薬師寺東塔水煙の飛天

「水煙」というのは、塔の頂上にある相輪の上に載せてある火炎飾の造形物のことで、建物は火を忌むことから、あえて「水煙」と名付けられたという。薬師寺の場合、この水煙に見事な飛天装飾がほどこされている。
よくみると分かるように3体ワンセットになっていて、下段の奏楽天人、中段の華盤を捧げる天人、上段の真っ逆さまに落ちる小さい天人で構成されている。これらの天人を子細に分析し、下段を天男、中段を天女、上段を天童として、彼らは天人家族であると喝破したのは小杉一雄先生。この論文を読んで以降、もはや天人家族以外には見えなくなった。(笑)


平等院鳳凰堂雲中供養菩薩
中央の阿弥陀如来を取り囲むように飛ぶ雲中供養菩薩たち。
これを飛天という人もいるが、これは雲に乗っている菩薩だ。「天人」と「菩薩」は、そもそも格が違う。「天人」はまだ六道輪廻の中にいる。


同じ鳳凰堂の阿弥陀仏の背後にある壁にひっそり小さな飛天が描かれている。本で見たとき、その愛らしさに目を見張った。


平等院のミュージアムでまっさきに出迎えてくれるのが日本一美しいこの梵鐘。日本三大梵鐘のひとつ。鐘の濃い深緑色と金属独特の重みと存在感が飛天の軽さを一層引き立て、今まさに天から降り立ったようなふわりとした軽やかさに、息が止まる。寺の鐘を見て息が止まったのは、生まれて初めて(爆)


ミュージアムショップにはファン垂涎の雲中供養菩薩トランプも。



日野法界寺阿弥陀堂の飛天
法隆寺と並ぶ見事な飛天を擁する法界寺。壁画は鎌倉時代のものになる。
飛鳥時代法隆寺飛天は手を大きく広げ大らかに飛翔しているが、こちらは脇をギュッと締めたガードの固さが目立つ。「軽やか」というより「ぼってり浮かんでいる」という印象を私は持った。東西南北の小壁に合計10体描かれているが、一体一体顔が違っていて、女性的な飛天もいれば男顔な飛天もいて、漫画をみているようで面白い。

7世紀〜8世紀にかけて、浄土思想とともに一大隆盛をみた飛天像も、戦国時代以降、次第に衰えていく。



南禅寺三門天井画の迦陵頻伽(かりょうびんが)
下半身はまだ鳥の足で、天衣は背中に流れ、強調されていない。


英勝寺の迦陵頻伽
下半身は裳裾で見えないが、もはや鳥の足ではなさそう。
大きな天衣を頭上にひるがえし、悠々と飛翔している。

これを初めて見ると、びっくりする人もいるかもしれない。これは和様エンゼルでもなければ、有翼飛天でもない。人面鳥の迦陵頻伽(かりょうびんが)という鳥なのだ。迦陵頻伽も起源はやはりインドだが、「極楽に住む鳥」と仏典に定義されているレッキとした仏鳥で、素晴らしい美声を持ち、その美声で仏法を説くと言われている。

面白いことに、もとは鳥のはずだったが、時代が下るにつれて飛天(つまり天人)レベルまでランクアップしていき、飛天と一緒に描かれることが多くなる。しまいには、これら三門天井画のように、飛天に代わって華盤を捧げ散華までするようになる。翼があるだけ飛天より華やかさが出るからか、室町以降の新しい寺には大ぶりで華やかな迦陵頻伽の画が多い。


最後に、これは日本の飛天像の中で私が最も愛する飛天。


村上華岳「雲上散華之図」
我がふるさと神戸が誇る近代日本画家、村上華岳の作品。
下界から遠く離れた雲上で、アルカイックスマイルを浮かべつつ、密やかに散華する飛天。背後にたなびく髪と天衣は、吹く風ではなく立ちのぼる気によってゆらゆら揺らめいている。
(捧げ持つ華盤がワイングラスに見えて仕方ないのは己の煩悩の深さゆえか…)




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