バイクde遍路−四国八十八箇所お遍路ツーリングの心得

暖かくなってきたので、四国遍路へ出かける方も多いかと思う。
バイク遍路をご計画の方に、何か参考になることでもあればと、
恥ずかしながら、自分の経験を披露してみる。

遍路期間:2007年8/28〜9/14

マシン:ホンダPS250(250ccのスクーター)

今は無き愛車Pちゃん。↑ 免許取ってわずか半年後の遍路ツーリングだった。
もちろんソロ。四国は初めて。というか県内から出たことなかった(笑)。
行きのフェリーからしてドタバタですよ。


【遍路ツーリングのためのアドバイス】

アドバイスその1:荷物は最小限に

画像でお分かりのように、愛車Pちゃんは後ろの荷台が広くて、荷物が沢山のる。なので、家を出る時は、あれもこれもと乗るだけ載せて出発した。

が、あろうことか、四国の酷道険道で何度も転倒。立ちごけではなく、Uターンごけ。こけてから見ると、微妙に坂道になってたりする。初心者が、そんな道でうまくUターンできるはずもない。しかも、そういう道はたいてい山の中で、こけても自力で引き起こさねばならない。愛車Pちゃんは、車体だけで170キロあり、それに大荷物がプラスされているので、これはもうお大師さんのお力におすがりするしかない!つもりで自力で引き起こす(涙)。

一度などは車体の下敷きになり、タンクからガソリンは漏れ出すわ、身動きできないわで、一巻の終わりかと諦めかけたこともある。幸い、通りがかりのドライバーさんに救助されたが。(やっぱりお大師さんの力やね) こんなことが数回あって、ほとほと嫌になった。

で、荷物は最小限だけ残して、途中で買ったお土産も一緒に、みんな自宅に送り返した。
後半、ものすごくシンプルになった装備品は以下の通り。
1.遍路グッズ
2.カメラ
3.着替え(一日分のみ)+雨具


アドバイスその2:地図は現地で

旅は準備が楽しい。
と、私は思っているので、四国遍路に出かける時も、わくわくしながらネットで遍路グッズを買いそろえた。
輪袈裟・白衣・頭陀袋・線香・蝋燭・経本・納経帳・納経軸・納札・遍路用ガイドブック・地図…

何が肝心って、お遍路さんには地図が命。だが、これがまたピンキリなんだわ。
自宅にいるときは、まあ、これくらい詳しかったら問題ないやろ、と選んだ本が、さっぱりだったりする。で、現地の、たとえば、1番札所の霊山寺なんかの販売所には、ネットや四国外では売ってないようなマイナーなガイドブックが売られてたりする。おお、これがほしかったんだよね!というような、必要かつ詳細な情報満載の、わかりやすい地図が色々ある。自分のより数段いいので、結局ここで買い換えることになった。

私は、小倉からフェリーに乗って、松山に入ったので、51番の石手寺から打ち始めた。手持ちの地図を使って、不満を抱えながら徳島まで行ったので、霊山寺で色々な地図を見た時びっくりした。おお、こんな詳細で使いやすい地図があるなんて! で、即買い換えた。
ただ、やはり、廻り始めた当初は、どれがいいかなんて分からないかもしれない。しかし、現場の販売所で、売れ筋とか口コミとかが聞けるので、自宅であれこれ勝手に思い込んで買うよりは、確かだと思う。プランを立てるためのガイドブックは必要だけど、現地で使うのはまた別だ、ということをアドバイスしておきたい。ナビを利用する人には、無用の心配かもしれないけれど。


アドバイスその3:ガソリン補給はこまめに、小銭の準備は多めに

愛車Pちゃんは250なので、タンクがそんなに大きくないこともあり、補給にはことのほか神経質になった。スタンドがあれば、大して減ってなくても補給した。あるだろうとたかをくくって走ってたら、そのまま、山中に突入ってこともあるので。
私が行った時、四国のガソリンスタンドのマシンで、現金のお釣りが出ないところがあった。お釣りは、そのスタンドのチケットが出たりする。二度と来ないのに!と思いながら、泣く泣く500円券を取ったこともあった。今はどうなんでしょ。


アドバイスその4:宿の手配は3時までに

私は、野宿ではなく宿に宿泊した。さすがに、レディがひとりで野宿はないやろ〜と思ったので、宿も妥協せず、ちゃんとしたところに泊った。
初日の松山の寺で、原付ライダー遍路さんから、宿の取り方を教わった。彼が言うには、3時頃になったら後が読めるので、携帯で宿の予約を取ったほうがいい、夕方になると、取れなくなることがある。ということだったので、巡礼中、毎日、3時頃を予約タイムにした。おかげで、あぶれるということはなく、快適な旅ができた。四国のお宿は、どこも食事が素晴らしく美味しい。豪華な食事ではないけれど、自然のうまみたっぷりで、全くグルメではない私でも「う、うまい…」と感激するほど。


アドバイスその5:ツーリングはマイペースで

どれくらいで廻れるか、というのは結構悩ましい問題で、車やバイクなどで廻る場合、1週間という早業のお遍路さんもいる。とある寺で会った四国在住のドライバーは「ぼくなんか1週間で廻ってしまいますよ。これで5巡目」と言っていた。
巡礼に要する時間というのは、道をどれだけ知っているかや札所での滞在時間などによって、かなり変わってくる。私のように、寺でゆっくり読経納経写真撮影+超方向音痴(道に迷う)+ついでに観光旅行(美術館、水族館、鍾乳洞、お城、神社etc)+連日レイトスタート・アーリーフィニッシュなライダーは、2週間以上かかる。遍路期間は自分次第。巡礼していると、妙に自慢げに早さをアピールするお遍路さんがいるが、一体何が自慢なのかさっぱり分からない。


アドバイスその7:白衣は堂々と

最初は、白衣を着るのが本当に恥ずかしい。いくらなんでもあんまりやろ…と我ながら恥ずかしくて恥ずかしくて、しかし、せっかく用意した「正装」なのに、普通の服で、観光客みたいにお参りするわけにもいかない。ものすごく悩みに悩んで、えいっと決断して着ることにした。
白衣には、最初、抵抗があるかもしれないけれど、四国では全然大丈夫なので、ひとりでも堂々と着用すること。ヨレヨレボロボロになっても、全然大丈夫。テレビや写真に写っている真っ白な白装束のお遍路さんは、ツアーか車で廻っている方々なので、綺麗なのも当然。本物の歩き遍路さんなんか、白衣どころじゃない。そういうことも、廻っているうちに、だんだん分かって来る。私の白衣も、ずっと着ていたので、排気ガスでグレーになってしまった。


まだ綺麗なとき↑


アドバイスその8:ビギナーはひねらないこと

初心者は、逆打ちはやめたほうがいいと思う。よほど土地勘もしくは方向感覚があれば別だけど。四国では、道路の案内標識に次の札所の行き方が示されている。大きな道なら、素直にそれに従って行くと、難なく次の寺にたどり着ける。しかし、逆向きに廻ると、その助けが全くないので、無駄にうろうろして、さっぱりたどり着けないなんて事態に陥ってしまう。←私です。そんなこととはつゆ知らず、フェリーで到着したての松山市近辺で、順番無視して適当に廻って、探し当てるのにものすごい苦労した。順番通りに回れば表示があると気づいたのは、順行に戻ってから。迂闊だった。


アドバイスその9:予算があればプラスアルファ

もし費用に余裕があれば、納経帳だけでなく、納経軸や納経額、判衣などにも集印すると、あとの満足がさらに大きくなると思う。巡礼中は、すぐまた来れるさ、と思ってしまうが、実際問題、そうそう行けるものではない。出会いはすべて一期一会。いただいたチャンスを最大限に生かしたい。
ちなみに、納経軸や納経額は、開眼供養してから使いましょう。


納経軸。中央の絵は宗派別に数種類あるが、この来迎図は浄土系。
我が家は浄土系ではないが、藝術的にこの絵柄が一番気に入ったので。
細かいことにはこだわらない!(キリッ)


せっかくなので、納経帳ご朱印ブログを新設しました。
ご興味ある方ご覧ください。1970年代の古い納経帳です。
遍路に出ることになった経緯なども記してあります。
四国遍路八十八カ所古い納経帳御朱印大公開


............................................................

井上桜子のサロンはこちら ヒーリングラボきらり
メニューは、レイキ講座やヒーリングの他、タロット占い・タロット講座も設けてあります。
メニュー・料金など
お近くの方、旅行中の方、お気軽にご予約ください。

............................................................

Copyright Healing lab Kilali.Inoue Sakurako All Rights Reserved.
※ 当サイト上の記事の無断転載・加工使用はご遠慮ください。