パメラ・C・スミスの描くウェイト版タロットの世界

さて、前回の続きです。

ウェイト博士に作画を依頼されたパメラさん。
小アルカナについては、ざっくりしたアウトラインのみ指示され、あとは自分の知識とイメージでもって作画したと伝えられています。
その際、ウェイト博士から参考資料として紹介されたのが、ソラ・ブスカというイタリアの古いタロット。



 
これはミラノで1450年頃に作られた、ソラブスカ家に伝わるデッキだそうです。
小アルカナのすべてに絵が描かれたタロットとして最古のものになります。

剣の3のカードなどはウェイト版にそっくり活用されているのがわかります。

 

ウェイト版剣の3


ただ、ソラブスカの3のカードは、棒もこのタイプなので、あくまでインスピレーションを与えてもらったというほうが正確だと私は思います。


 剣の10と棒の10も微妙にヒントになっているようです。

剣の10
 
 
 棒の10
 
 
ウェイト版棒の10
 

さらに興味深いのは、パメラさんは、カードの登場人物に、友人の似顔絵を描いております。
有名なのは、エレン・テリー(棒のクィーン)とフローレンス・ファー(世界)だそうですよ。

棒のクィーン


男顔で有名な棒のクィーン
まさかモデルがいたなんて・・・!











 
世界








おまけの話ですが、現在、活用されている最もメジャーな展開法のひとつに、「ケルト十字」というスプレッドがありますが、これもウェイト博士が創案したものです。

万能なだけに、読みにくい・・・どこをどう読めば相談者の答えになるのか今ひとつ分りにくい・・・等々、不満もきかれますが、ある意味、フォーカスしどころが読み手にまかされている分、深く掘り下げたリーディングができるといえます。宴会の「とりあえずビール」じゃないですけど、とりあえずケルト十字でみれば、相談者の全体像が(深層も含めて)立ちあがってきます。こんなところが、多くのタロットリーダーに愛され、世界中に広まった理由ではないでしょうか。

きらりのタロット講座では、ケルト十字はもちろんのこと、相談案件にフォーカスした、答えのはっきり出るスプレッドも多数練習いたします。

独学で練習されている方は、まずは1枚引き、それから2枚引き、そして3枚引き、というふうに、徐々に枚数を増やして練習してみてくださいね。
3枚引きが読めるようになれば、5枚でも6枚でもすぐ読めるようになりますよ。
 
 
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