前世記憶とアカシックレコード

ゲリー・ボーネル/高橋克彦『光の記憶』ヴォイス社2000年
ゲリーボーネル『超入門アカシックレコード』5次元文庫2009年
如月マヤ『アカシッレコード・リーディング』ハート出版2006年
アーヴィン・ラズロ『生ける宇宙』日本教文社2008年

前世記憶からアカシックレコードに興味を持ったので、本を借りて読んでみた。

ゲリー・ボーネル/高橋克彦の対談集『光の記憶』の本は、さぞかし読まれたのだろう。もうボロボロだった。世紀末から世紀初頭は、コワ〜イ予言大流行だったから、みんな手に取ったに違いない。昨今、アセンションの話題が流行しているから、また読む人が増えてくるかも。(あ私?)

さて、ゲリー・ボーネルの本より、どちらかというと如月マヤさんの本のほうが動かされるものが多かったが、どっちにしても、アカシックレコードの読み手2人の本では、アカシックレコードが何かというのがイマイチ分からないので、アーヴィン・ラズロの本も読んでみた。うん、大体すっきりした。

アカシックレコードの定義はウィキペディアに詳しいが、ゲリー・ボーネルによれば、アカシックのアカシャというのは、地球上の生命を生み出した想念のエネルギーのことで、そのエネルギー構造体に記録される情報がアカシックレコードだと言う。

もともと、アカシャ=アーカーシャというのはサンスクリットで「虚空」「空間」「空」を意味する言葉であり、インドの五元素(地水火風空)のひとつでありながら、ほかの四元素の性質もあわせ持ち、同時に、それらの外側に存在する。インド哲学の「虚空」、仏教の「空」はこのアーカーシャを指し、西洋の「エーテル」、現代科学の「量子真空」という概念にも匹敵する。すべてを内包し、すべてが生まれ、すべてが還る空間をアーカーシャという。要するに古代インド人が発見した偉大な概念「0(ゼロ)」である。


アーカーシャで踊るシヴァ神(私物)

では、空を満たすエネルギーとは何か。なぜアーカーシャに情報が蓄積されるのか。

『生ける宇宙』によると、20世紀後半、物理学は、真空は何もないタダの空間ではなく、宇宙のすべての要素を構成している素粒子が誕生する基盤であると同時に、素粒子が最終的に到達するところでもあることを発見した。この真空=量子真空には様々な働きがあるが、例えば、海の波と同じように、起こったことを記録し、離れたところの物事を結びつけるプロセスが量子真空の波にもあることを見い出し、「真空はあらゆるものと相互作用する」ことを導き出した。(雑な要約ですまん)

しかも、海と違い、真空には波を打ち消したり弱めたりするものは何もないので、どんなに小さな動きでも、どんなに離れた作用でも、波と波は瞬時に結びつけられ、その波の渦は情報という形で保持される。また、その渦は超高速であると同時に永遠に持続する。それを作り出した物体が存在しなくなっても持続するのだ。真空の波が記録し保存できる情報には明確な限度はなく、最大スケールでは、宇宙全体の状態に関する情報も記録できるのだという。

このようにして、アーカーシャ=アカシックフィールドにすべての動きの情報が記録される。これがアカシックレコードなのだ。(仏教的に表現すると「虚空蔵記録」)このレコードにアクセスすると、宇宙誕生の瞬間も、こと座のベガの近況も、書かれなかった人類の歴史も手に取るように分かるというわけだ。

私が知りたいのはここからだ。輪廻転生、過去世、そして未来予知、これらとアカシックレコードがどういう関係にあるのか。アカシックレコードでこれらすべてが説明できるのか、そこらへんがとても知りたい。

インドやチベットでは、前世の生々しい記憶を持つ子供の話は珍しいことではない。彼らは非常にリアルに、自分は前世○○村の××という者だったと名乗り、本人しか知らないことも知っているし、行うこともできる。これに関して、アーヴィン・ラズロは『生ける宇宙』の中で、次のような説明を試みている。

彼らがいかにリアルに自分の経験として語り、行為しようとも、それは単に、その子が亡くなった人の意識にアクセスできることを示しているに過ぎないのであって、その子が実際にその経験を行った人物の生まれ変わりだということが証明されるわけではない。

他人の意識が真空に残したホログラムの痕跡にアクセスし、他人のホログラムを自分自身のホログラムと区別することができないのであれば、前世を体験する人は、その他人の意識を自分自身の意識としてもう一度生きることになると。

こう考えると、「転生」という現象の厳密な再定義が必要になってくるが、要するに、彼は、我々が普通に言うところの「転生」は実証できないという立場であるようだ。

一方、輪廻転生に関するゲリー・ボーネルの意見はこうだ。

人間は「魂」と「身体感覚意識」から成り立っている。「魂」は宇宙的スケールで自由に時空を移動するが、「身体感覚意識」は肉体を形作っている意識で、肉体がなくなった後も継続して存続し、同じ家系の中に転生するという。(実証も反証もないが) 

人が死ぬと、「魂」は未練なく「身体感覚意識」とおさらばして、行くべきところに行ってしまう。「おばけ」や「幽霊」になってしつこく残るのは、「身体感覚意識」のほうだという。(なるほど!) 「身体感覚意識」は以前と同じ様なところに好んで転生する。

いっぽう「魂」の輪廻転生は、もう少し複雑だ。ピュアなエネルギー体として決して転生しない「魂」もいるし、波調がぴったりの母体が見つかれば、すぐに転生する「魂」もいるらしい。進化した「魂」は「ガイドスピリット」として人間の指導を引き受けたり、別の星に転生したりする。


「魂」の輪廻転生は、我々が3次元感覚で捉えている時空の枠内には収まらないみたいだ。例えば、2011年に死んだ鯨好きな「魂」は、次に1700年の長門の鯨捕りに転生することもありなのだ。時間は、我々が考えるように過去から未来へ一直線に進んでいるわけではないらしい。

さて、そこで思い出した。以前、気功中、ゴゾ島のタ・チェンチの神殿跡に意識を飛ばすと顔が出てきて、それが神官だということが分かった。(こういうのを「リモートビューイング」というらしいが)それで、てっきり自分は過去世でこの神官だったと思い込んでしまったが、必ずしもそうではない可能性があるわけだ。単にその場所のアカシックレコードにちょいとアクセスしただけなのかもしれない。神殿跡で神官に会うのは、校庭で教師に会うのと同じくらい当たりまえのことなのだから。

とすると、見知らぬ場所やモノや人に出会った時、強烈な既視感を抱くことがたまにあるが、あれも必ずしもすべてが前世の記憶なのではなく、ただ、そこに流れるレコードにアクセスしてしまった結果だけなのかもしれない。なんでもかんでも前世記憶に結びつけるのは危険かもしれないと悟った。




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