タットワと黒鏡

『実践カバラ 自己探求の旅』大沼忠弘 1993年 人文書院
『実践魔法カバラー入門 女神イシスが授ける古代の密儀』大沼忠弘 2007年 学研

以前からカバラには興味があったが、高邁な哲学思想より魔術のほうが気になっていたので、内容があって尚且つ分かりやすい本はないかと探していたら、大沼さんのこれらの本に行きあたった。

人文書院の『実践カバラ』は、93年の出版だけあって、大沼氏の若さとエネルギーがビシビシ感じられる、力の入ったとても面白い本だった。その中で最も興味を惹かれたのが、アストラル・ライトを経験するタットワの行だ。

これは今ではネット検索すると「タットワカード」という名称で完成したカードが販売されているが、大沼氏はあくまで「手作りこそが修業の基本」をモットーに、カードの手作りを勧める。
白紙の上に、五大元素の四角、三角、円、楕円、三日月の五種類の図形をそれぞれ固有の色で作る。ついでに他の訓練にも応用するために、補色の背景色の上に描いたものも作る。補色関係を逆転させたカードも作り、合計20枚の色彩カードを作ることを勧めている。思うに、手作りで20枚きれいに作れる人は、もうそれだけでタットワ修業は半ば成功したも同然でしょう。(^^ゞ

近著の2007年『実践魔法カバラー入門』では、このタットワカードは「煌めく色彩(フラッシングカラー)ディスク」と名を変えて、より簡便な3枚の図形にシンプライズされ、付録ページに登場している。手間暇かけない現代っ子に負けたんでしょうか。拡大カラーコピーするだけですぐ使えるわけです。(笑)
ちなみに、このカードを使った訓練は、長くなるのでここでは省略。ごめんね。次行きます。

さて、アストラル視の訓練は、このカードのほか黒鏡も使う。
黒鏡(ブラックミラー)というのはこういうもの。


どこかのショップの画像↑

手作りにこだわる大沼氏、カードでは根負けしたけど、鏡では負けてないっ! 
『実践魔法カバラー入門』では、この黒鏡を手作りするよう勧めている。(う〜ん、どうみても紙のカードのほうが簡単やん…) なぜ自作にこだわるかというと、自作の過程でいわば自分の魂が入るから既製品は使うなと。で、デパートやホムセンを走り回って材料集めて、鏡をハンドメイドする話が終わると、いよいよ修業開始。

スタンドに黒鏡を置いて机の上に立て、ちょうど鏡の中に自分の顔がすっぽり入るくらいに位置と距離を合わせる。自分の顔に焦点を合わせてゆっくり「ボックス呼吸」に入る。「ボックス呼吸」というのは、4−2−4−2の呼吸法のこと。この呼吸法がマスターできていなければ、何をしても危険だから注意ね。

じっと見つめていると、だんだん顔の輪郭がぼやけてきて、しまいに顔は見えなくなる。かわりに小さな光の粒が見えてくる。目を閉じても同じものが見える。これはすでにアストラル的視覚化が起こっている証拠で、鏡の上に見えたと思ったものは、じつは内的ヴィジョンの投射だというわけだ。

黒鏡を使って、このような投射による内的ヴィジョンの視覚化を練習する。これに習熟すると、通常世界とは別次元の世界とのコンタクトが可能になり、いわゆる「見えないものが見えてくる」。

しかし、黒鏡の練習は、下手すると、あらぬものが出現したりする。(やっぱりね!)これに乗っ取られると大変なことになるので、アストラル体の訓練は危険と背中合わせなのだ。こういう招かれざる客の出現を回避するためには、祈祷と召喚が意識的にできるよう訓練を積まなければいけないらしい。


以上、ものすごく簡単に紹介したが、私なんか、上の黒鏡の画像を見ただけでなんか見えそうで、めちゃくちゃ怖い。使わなくても、部屋にあるだけで処分に困る一品になりそう。アストラル視の訓練なら、真言密教の月輪観や阿字観、浄土教の日想観などを応用する手立てが色々あるので、慣れない西洋系魔術を使うよりは、馴染んだ仏教系魔術のほうがやりやすいと思ってしまったのは私だけだろうか…

日本人が憧れる西洋魔術、じつはそれは調べてみると、東洋魔術から着想を得たものだったりするわけだが、隣の芝生がやたら青く見えることに気づいた時、新たな魔術が生み出されるような気がする。




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