西国三十三箇所観音霊場巡礼

以前、四国遍路の記事をアップしたが、西国巡礼についても書いておきたい。

2007年の9月に四国一周して、いつもの日常生活に戻った時、なんかあるべきものがないような、欠落感というか、不全感に捉えられ、もう一度巡礼に出たいという、ありがちな巡礼スパイラルに陥ってしまった(笑)。それで、その冬から、西国観音霊場を巡ることにした。


西国霊場地図(「西国三十三所巡礼の旅」HPより)

今回は、一気ではなく、神戸の実家に帰った折に、廻れるところをまわるようにした。
ぼちぼちだったので、結願まで、丸々3年もかかってしまった。

期間: 2007年〜2009年
手段: 公共交通機関+徒歩
集印: 納経帳+額装用納経軸
服装: 普通服+トレッキングシューズ

西国は、巡礼道としては、四国より古いと言われている。現在の形の西国巡礼は、三井寺の僧侶によって、最終的に確立されたと聞いているが、四国と最も異なる点は、やはり、札所の所在が、広範囲にわたっているという点だろう。たかが33カ所と、なめてかかってたら、なかなか終わらんわ、交通費で破産しかけるわで、いい加減腹立ってきたこともある。

そういう理由から、四国以上にマイカー巡礼がメインで、西国の札所で、通しの歩き巡礼さんにお目にかかったのは、一度きりだった。私のように、電車やバスで廻っている者も、ごく僅かだった。

利用者が少ないので、バスの便はますます少なくなり、やっとバスに乗れても、途中までしか行かず、バス停から山門までの山道を、2時間歩いたこともある。しかし、巡礼の醍醐味はこのきつさにある、と思うマニアにとっては、往復4時間のトレッキングすら勿体なくもありがたく、翌日の筋肉痛もゴリヤクのような気がして、懲りずにまた出かける、という幸せな日々を送っていた。

一番札所 青岸渡寺青岸渡寺那智の滝

最初はやっぱり一番からと、遠路はるばる、紀伊半島を半周して、那智まで行った。初めて行った紀伊半島の、想定外な広さ遠さに、ビックリ仰天。そして、海岸に広がる不思議な光景にも目が点。
串本町にある奇岩「橋杭岩

一番札所に参拝してからは順不同で、スケジュールに合わせて、行けるところに行くようにして廻った。

その中で、今でも忘れられない難所ナンバーワンは、ずばり11番・上醍醐寺
これは、京都伏見にある醍醐寺の奥宮のような寺で、地図上、確かに少々距離はあったが、まあ所詮京都市内やしと、観光のつもりで、軽い気持ちと軽い服装で行ってみたら、これがまた大変な山道で… 予想と現実がかけ離れすぎていたため、ショック2倍増し! しかも妙な天気で、照ったり降ったりのヌルヌルの細道を踏みしめながら、まさか西国の札所にこんな難所があるなんて…と、思えば、これが難所初体験だった。

この記事を書くために、念のため、記憶をネットで確認していたら、なんと、上醍醐寺の本堂准胝観音堂が、2008年8月24日未明に、全焼したらしい。落雷が原因のようだが、私が参拝したのは、その3日前、8月21日だった。(゜o゜)

日付のはいった上醍醐寺の墨書朱印↓


上醍醐寺の本堂(この撮影3日後に全焼…)↓

火災後は、入山規制が敷かれているらしく、今でも、納経は、ふもとの醍醐寺でなされているという。
うう、あの難所トレッキングも、あの時が最後だったのか…

さて、上醍醐寺以降の札所は、やっぱり、なめたらあかん、とハラをくくりなおして、トレッキングシューズ着用でチャレンジ。しかし、施福寺や岩間寺、観音正寺など難所の山寺では、距離を歩くことより、ひと気のない山道を、ひとりで歩くことのほうが、心理的にきつかった。というのも、結構、気をダイレクトに感じるほうなので、四国でもそうだったが、山の気に圧倒されるというか、初めて入る山が怖くて、恐怖(畏怖?)を感じることが多かった。

基本的に、山寺のある山というのは、エネルギーが強いからこそ、寺院という聖域が定置されるわけで、そのエネルギーに、波長が合うまでは、違和感からくる恐怖感に襲われるのは、まあ自然な反応だろうと、今なら思える。が、当時はそんなことは、何も分からず、イノシシも含めて、何か出てきたらイヤなので、道中、ここでもまた、般若心経を唱えることになった。(~_~;) 寺につくと、心底ホッとするのは、四国とおんなじ。下山は、不思議と心は軽い。

さて、四国遍路の時は、床の間掛け軸用の納経軸を、持参して集印したが、床の間で暮らしてるわけじゃないので、自室に掛けられるようなものがほしいと、西国の時は、ちょっと小ぶりな、額装用の納経軸に集印した。このお軸も、例によって、ネット購入したもので、中央に観音様の画があり、その両側に、札所寺院の墨書朱印をいただくことになっている。番外の欄もあるので、花山院や法起院、元慶寺などにも参拝した。

33番札所の華厳寺で満願成就した時のお軸↓(一部のみ公開ね)

ちなみに、この頃、配布されていた散華(さんげ)はこちらの二種。↓

花山院の記念散華↓

だらだらと、結願まで3年もかかったので、せっかく集めていた散華が、途中で終了し、気づけば、新たなバージョンに変わってたのが、かなりショックだった。(>_<) 中途半端な散華が、バラバラに集まったので、持っててもしゃーないと、さっさと人に譲ってしまった。散華を集めたい時は、キャンペーン期間を、しっかりチェックして、さくっと廻らなきゃいけませんな。


最後の満願寺、33番華厳寺では、摩訶不思議な観音様のご神力を、まざまざと見せつけられる出来事に、遭遇した。こんなことでもないと、懲りない私に、神妙な信心は、生まれなかったかも。ともあれ、最後の最後を、観音霊場にふさわしい出来事で締めくくることができ、本当に、実り多い巡礼となった。カネも、時間も、エネルギーも、沢山使ったが、何ひとつ無駄ではなかったと、今でも断言できる。しかも、出費のすごさのおかげで、巡礼スパイラルからも解脱できた(笑)。観音様様様です。

南無大慈大悲観世音菩薩 (-人-)


中山寺の蓮


※こちらで御朱印を公開しています
西国三十三所観音霊場納経帳御朱印大公開


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