ふくやま美術館 平櫛田中展

福山城を見たついでに、ふくやま美術館に寄った。
ちょうど特別展が開催中だったので、常設もふくめて観覧させてもらうことにした。

しかし「平櫛田中」なんて聞いたこともない。いやそれ以前に、名前の読み方からして分からん。会場のキャプションを読んで初めて「ひらくしでんちゅう」ってことが分かったが、しかし、どう見たってこれ苗字じゃないですか??

それもそのはず、平櫛は養子先の姓、田中は生家の姓なのだそうだ。
両家の姓を並べて画号にしたという。ふぅむ、シュールですなあ。

で、展覧会のチケットやポスターには、ご覧のように「鏡獅子」の試作品が使われているが、こういう作品は私にとって圏外なんだよね。これっぽっちも興味が湧かない。

名前はヘンだし、作品もつまらなそうだったけど、せっかく来たので一周して帰ろうと、中に入ったのが運命の出会いの始まりだった…

「第一歩」

「摩訶達磨」

ううっ、なんという見事な木彫。木彫を専門にする彫刻家がいるとは知らなんだ。
彫刻って、普通、ブロンズばっかじゃないですか。

見てお分かりのように、平櫛田中は単なる芸術家ではない。彼の作品は芸術を越えて信仰の域に達している(と思ったね)。作品の前に立つと、強烈な聖なるオーラが立ち上っているのが感じられる。しかも、技法として使われている荒いノミ跡、表面に広がる年輪など、未熟で粗雑に見えるすべてが、井上正氏の唱える「霊木化現仏」そのままの表現だ。

ちなみに「霊木化現仏」とは、霊木から姿を見せる途中の仏を意味し、荒々しい鑿跡、目や耳や髪を彫らないまま残すなど、神の宿る霊木から聖なるものが顕現している途中の段階を表現したものを指す。古い仏像に多く、近代の芸術家の作品で見たのはこれが初めてな私。

「気楽坊」
これは円空木喰系作品。それにしても、なぜに彼らは長寿なのだろうか??(関係ないけど)
この破顔に秘密があると思うんだよねぇ…

さて、この展覧会の白眉はこれ。
人間を食った鬼があまりのまずさに口から吐き出している。なんという発想…
画像が小さくて見づらい↓のがまたミソですがな(笑)。実物は大迫力の大きさ。ぜひ現地で。
「転生」

ふくやま美術館の常設には岸田劉生「麗子十六歳之像」もある。

有名な「麗子像」は顔が真四角だったけど、麗子ちゃん、年頃になるとこんなに普通になったんだと、ビックリするやらホッとするやら。


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