夜の終わりに
ずっとずっと探していた映画に偶然めぐり会えた。
もう15年ほど前になるだろうか。確か、見たのはテレビだったと思う。
東欧のモノクロの映画だった。
クールな主人公が、最後、形相を変えて彼女を探しまわる姿が目に焼き付いて、そこだけ鮮烈に覚えていた。主人公がクールなだけに一層必死さが伝わってきて。
登場人物は二人だけと言っても過言ではないほど狭い室内での二人のやりとりが中心で、彼女の黒い服とモノクロの画面のイメージが重なって、独特の雰囲気をかもしだしていた。
先日、図書館に行ったとき、何気なく視聴覚コーナーをぶらついていたら、偶然目にとまったビデオ。タイトルも覚えてなかったのに、あ、これだ…とすぐ分かった。
見ると、監督はアンジェイ・ワイダ。
ななんだ、そうか。やっぱりね… 名作はいつも彼?
主演のふたり(クリスティナ・スティプウコスカ&タデウシュ・ウォムニツキ)
いや、もうひとつ、忘れられないポーランド映画がある。「夜行列車」だ。これはあいにくワイダさんじゃないが、不思議なことに雰囲気は同じ。ソ連崩壊前の東欧の映画には、みんな同じ基調和音が流れているのか。
昔は、福岡でもワイダ特集とかタルコフスキー映画祭とか、ミニシアターでよくやってたが、最近はどうなんだろ。古典はDVDでどうぞの時代なのかな。いやもうネット配信か。
さて、この「夜の終わりに」は、彼の狭い部屋と彼女の黒い服という効果的な設定があるけれど、それ以外に、私がとても気になったのは、何度も人体を横切る細いヒモだ。
人体、それも首の近くを切るこのヒモのせいで、なぜか、意味もなく心が波立つ。
ワイダさん、あんたって…
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